「ゴメン。彼女以外から受け取るつもりは無いんだ。
…俺は彼女しか見えないから。」

悲しげに目を伏せる娘。

泣き出してしまう娘。怒ってチョコレートを投げつけてくる娘。

ほんとに色んな娘がいるよな。

でも、中途半端な気持ちで受け取るつもりは悪いけど無いんだ。

俺の中には幼い頃別れたあの日からずっとただ一人だけが住んでいた。

変わることの無い笑顔で俺を待っていてくれた雅が誰よりも何よりも愛しくて…。

俺にとっては彼女に勝る存在など無くて…。

それなのに俺の静止を振り切るように駆け出した雅

その後姿が瞼の裏に焼きついている。