ピンポーン♪


チャイムが鳴った。

俺のアパートを訪ねて来るのはサークルの奴らと、宅配業者くらいしかいない。
誰だろうと不審に思いつつ、スコープを覗いた俺は…


幻を見た。


いや、幻だと思いたかった。


思わず鍵を閉め、窓から飛び降りて逃げようかという思いが過ぎったが、シツコク鳴り続けるチャイムに近所から苦情が来る事を考え、渋々そのドアを開けた。



…ガチャッ…



「勇気く~ん♪お誕生日おめでとうっ」

なんでおばさんがここにいるんだよ?