「好きな子は大切にしないとダメだって。」
「んー…でも俺のこと好きなら、そういうのも含めて受け入れてくれなきゃね。」
そんな優しい子、なかなかいないと思うけど…。
別れたばかりだと言うのに、兄ちゃんは落ち込む様子がない。
毎回のことだけど…
本当に好きで付き合ってたのかな?
「兄ちゃん、僕明日から試験なんだ。勉強したいから出てってくれない?」
「えー…翔太冷たいなぁ。じゃあ、優(ユウ)くんお願いって言ったら出てってあげる。」
「……優くんお願い」
「あはは、やーだよ。」
「……………。」
兄ちゃんはまた僕のベッドに寝転がった。
僕は息を吐き出して、椅子に腰掛けた。
兄ちゃんの相手するだけ時間の無駄だよな…。
ほっとこう。
鞄から教科書を取り出し、机の上に並べる。
「翔太は勉強熱心だね。」
どっかの誰かさんが成績優秀だから、プレッシャーがすごいんだよ!
「あ、俺が勉強教えてあげようか?」


