もう一度顔を近付けて唇を重ねる。
今度は簡単には解放してやらない。
呼吸を奪って、その柔らかな感触を堪能する。
「兄ちゃ……んっ……待っ」
そのうち翔太は俺に縋りつく。
それでもキスはやめない。
「俺に隠し事なんかするからだよ。」
「そ、な……だって……」
「黙って。」
言いかけた翔太の口をまた塞ぐ。
酸欠になる一歩手前で、解放してやれば、翔太はぐったりともたれ掛かってきた。
俺は優しく背中に手を回す。
その隙に後ろの机を見る。
「……何、これ?」
「ぇ……あ!?見ちゃダメだってば!」
翔太は慌てて俺から離れ、机の上にあった物を全身で覆う。
机にあったのは包装途中の箱。
「誰かにプレゼント?別に隠さなくてもいいのに。」
「………僕が不器用だって知ってるだろ。不格好すぎて見せたくなかったんだ。」
翔太は拗ねたように唇を尖らせた。


