【BL】だから、なに?



「ご、ごめんなさい!僕寝ぼけてて!!あの……」
「ねぇ翔太、」
「え……?」


ドンっと肩を押されて、ベッドへ押し倒される。


覆い被さってきた兄ちゃんは無表情だった。



「そんなに俺が好き?」
「……え……あ、の」
「夢でも考えちゃうぐらい俺が好き?」



スッと頬を撫でられる。



「なんで、嫌いになってくれなかったかな?」


意図がいまいち掴めなかったけど、言えることは一つだけ。



「僕が兄ちゃんを嫌いになることはないよ。」
「そっか」



無表情だった顔に笑みがさした。



この間見た、あの優しい笑顔だった。




「翔太、やっと捕まえた。自分で捕まりに来たんだから、逃げないでね。逃げ道なんてないんだから。」



兄ちゃん、僕には何を言ってるのか分からないよ…。



「なんで?だって兄ちゃんは僕のことが嫌いなんじゃ……」
「どうして?」
「だってここ数日目も合わせてくれなかったし……僕のこと嫌いになったんじゃないの?」



僕の問いかけに兄ちゃんは罰の悪そうな顔をした。