次の日も、その次も兄ちゃんとまともに話す機会はなかった。
今日も多分……
家には僕だけ。
ひとりぼっちだ。
自分の部屋に入りかけて隣を見る。
隣は兄ちゃんの部屋。
ちょっとぐらい………
僕は兄ちゃんの部屋のドアを開け、そっと中に入った。
相変わらず片付けられた部屋。
白と黒を基調とされた部屋には、難しそうな参考書が壁一面に並べられている。
確か大学の首席だって言ってた……。
あーあ、レベル違いすぎ。
整えられているベッドへ腰掛け、背中から倒れ込む。
あ、兄ちゃんの香水の匂いだ。
なんか兄ちゃんに抱きしめられてるみたいで安心する…………。


