「何?」
「なんか怒ってる?」
「どうして?」
「だって……」
今だって目が合わないじゃないか…。
「俺が怒るような事したの?」
「してない…けど」
「じゃあ怒ってるわけないでしょ。」
兄ちゃんはまた歩き出してしまった。
言葉が見つからなくて、僕は無言でついて行く。
部屋の前にきて、兄ちゃんはため息をついた。
「何か話でもあるの?」
「あ、えっと……勉強。勉強みてほしくて!!」
「ごめんね。今日は疲れてるんだ。また今度ね。」
そのまま兄ちゃんの姿は部屋へと消えた。
いつもなら頭を撫でてもらえるのに……。
今までこんな事なかったのに…。
頭を殴られたようなショックで、僕はしばらく立ち尽くしていた。


