「兄ちゃん!」 「…翔太?まだ起きてたの?」 玄関で靴を脱いでいた兄ちゃんは、僕を見て目を丸くさせた。 「うん、待ってたんだ。おかえり」 「ただいま」 あれ? なんか……… 変、だ。 「あのさ、兄ちゃん…」 「何?」 靴を脱ぎ終えた兄ちゃんは、自分の部屋に向かって歩き出した。 やっぱ変だ。 だって。 「ちょっと待って!」 僕は兄ちゃんの服の裾を掴んだ。 だって、目が合わない。