翌日の放課後、学校からの帰り。
お、終わった………。
あんなに教えてもらったのに。
結果は散々だった。
望み薄……。
玄関には兄ちゃんの靴が並んでいた。
もう帰ってきてる…
顔合わせづら………。
そーっと忍び足で自分の部屋まで行き、そしてそーっとドアを開けると
「あ、おかえりー」
呑気な兄ちゃんの声が俺を迎えた。
「た………だいま」
なんで兄ちゃんは毎回僕の部屋に居るんだろう…?
顔合わせたくなかったのに…!
「ん?元気ないね?さてはテストの出来、悪かった?」
「………………」
無言の僕に兄ちゃんは、やっぱりかと笑った。
「…ごめん。せっかく教えてもらったのに…」
「別に良いんだよ、そんなこと。でも次はもっと前から勉強しておこうか」
「気をつけます…」
「うんうん。何だったら俺が家庭教師になってあげてもいいんだよ?」
「え!?」
「もちろん有料」
「………………」
人が落ち込んでるときにまで……!
「ははは、そんなに睨まないで。」
「…………。」
「別にお金を取るなんて言ってないだろ?」
「……有料って言ったくせに。」
「確かに言ったけど、お金じゃなくてもいい。」


