「兄ちゃん」
「んー?なーにー?」
学校から帰ると、大学に通っているはずの兄ちゃんがすでに帰宅していた。
しかも何故か僕の部屋に入り浸っている。
「ここ僕の部屋なんだけど…」
「知ってるよ。」
美形が笑うと、周りに花が飛ぶんだと僕は毎回兄ちゃんを見るたびに思う。
僕たちは兄弟だけど、こんなに似てない兄弟もいない。
ちゃんと血は繋がってるんだけどね。
茶色の髪は染めてるわけじゃなくて地毛で、兄ちゃんの白い肌によく似合っている。
あ、僕の髪は黒いよ。
似てるって言えば肌の色ぐらいかな…。
自分の白い肌、僕は大嫌いだけど…。