「あっ!時間ないっ!」

慌ててそこらへんにあるちょっとキメたワンピースに手を伸ばし、
髪をサッと整え、まだ馴染まない淡いメイクに
…いつもと違う自分に感じる。

「行ってきまー...っとっとっと、…サンダルどこだぁ~...」

危なく、いつもの癖でスニーカーを履くとこだった。

(危ない、危ない。こんなヘンテコな格好であいつに逢えないもん。)

心の中の自分はそう唱え、反面、実際の自分は数年ぶりであるだろうサンダルに巡り会い、ぎこちなく履きドアを開けた。