「わたしも・・・みんなとそんな関係に、なれるかな?」
「なれるよ。美樹が、ちゃんとあたしたちのことを信じてくれればね」


 すっかり空になったグラス。
 もう出ようか、と、二人がカクテルバーを後にしたのは、もう真夜中を過ぎようとしている時間だった。
 酔いざましに歩いて帰る事にする。


「ねぇ、彩」
「なに?」


 身軽に一歩先を歩く彩の背中に、美樹は声をかける。


「もっともっと、長く一緒にいよう!」
「・・・へっ?」


 いきなり美樹がこんなことを言い出すから、彩は立ち止まる。


「ずーっと一緒に・・・出来れば一生♪」
「あんたねぇ・・酔っ払ってんの?」


 呆れたように、彩は笑う。
 一世一代のプロポーズじゃないんだから、と。