「何に乾杯?」
「そうだな・・・あたしの、初めての友達に」
「初めて? 悠くんや諒くんは?」
「ま、あいつらは家族みたいなもんだから」


 グラスを合わせ、二人で笑い合う。
 他愛ない話をしているうちに何時間かがあっと言う間に過ぎていった。
 カクテルも何杯おかわりしたか分からないくらい、たくさん飲んだ。


「ねぇ、彩?」


 少し顔を赤くした美樹が、グラスを置いて言った。


「何?」
「私・・・ほんとに何かの力を持っているのかな?」


 彩は少し、黙り込む。


「あまり気にしない方がいいんじゃない? 美樹は美樹だよ」


 彩の言葉に、美樹はうん・・・と頷く。


「彩は、どう?」
「あたし?」
「うん、自分にアヤカシと戦う力があったって分かった時、どうだったの?」


 彩は腕を組んで、んー・・・と考え込む。