「まぁ、仕方ないか・・・。いつかは分かることだしね」


 言いながら彩はふと、自分が悠達のことを知らされた時のことを思い出した。
 気がついたら、いつも一緒にいた悠と諒。
 保育園も小学校も、高校までずっと片時も離れずに一緒にいてくれたから、彩はてっきり二人を普通の同級生だと思っていたのに。
 初めてアヤカシに襲われたのは、高校二年生の冬休みだった。
 そこで、やっと悠と諒が普通の人間ではないということに気がついて。
 問いただしたら、バカがつくほど正直に正体を明かされて、それはそれでショックだった。


「どうせあたしの時みたいに、包み隠さずそのまま正直に言ったんだろ」
「・・・ん? あぁ」
「ったく・・・あたしと美樹は違うんだよ。美樹がショック受けて悩んだらどうしてくれんだよ」


 嘘も方便って言葉知らないのかよ、とかぶつぶつ言いながら、彩は頭をぽりぽり掻いた。
 そして、もう一回、店ではお客さんに明るく振る舞っている美樹の方を見る。