A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「今眠ったよ」
「そう・・・ありがと、悠くん」


 そう言って、美樹は用意していたコーヒーを悠に差し出した。
 諒は、カウンターの隅でカップを手にしている。
 美樹が選んだ、四人お揃いの動物シリーズの、ライオンのマグカップ。
 ・・・しばらく、誰も口をきかなかった。
 時計の秒針が動く音だけが、やけに大きく聞こえた。


「あ、あの、さ」


 まず、沈黙を破ったのは美樹だった。


「わたしも、何かの能力が・・・あったっていうこと・・・なのかな?」


 自分でも、よく分からない。
 今までだって、そんな力とか能力があると思ったことなんて、これっぽっちもないのだから。


「まぁ、そういうことになるよね」


 少しは否定的であって欲しかったのだが、悠は美樹の言葉をあっさりと肯定する。
 でも、まだ完璧に力は発揮されていない。
 それは力を自分でコントロールできていないからだ、と悠は言った。