A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 悠と諒を追いかけていったのかと、心配してあれだけ走り回ったというのに。
 だが、気がつくと部屋は元通り、いつものままになっている。


「目的は何だ?」


 彩はそれに問いかけた。


『・・・それ・・・壊す・・・』


 その視線は、明らかに美樹に向けられていた。
 彩の表情が強ばる。
 だがそれは一瞬で、怯まずに手をかざす。


「壊すって、バカ言ってるんじゃないよ」


 説明のつかない“気”のようなものが、彩の身体を包む。
 だが、アヤカシは無表情のままだった。
 まるで、彩のことなど気にも止めてない様子だった。
 バカにしてんのか、と彩はその手の平から閃光を放つ。 
 だがそれは、アヤカシに届く前に空中で拡散した。
 彩ははっとして、美樹の腕を掴む。



「美樹。取り敢えず逃げる」
「うん!」


 こんな得体の知れないモノから逃げるのは、大賛成だ。
 彩に手を引かれて、やっと美樹は動けるようになった。
 二人は、外に停めてある車に乗り込む。