A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「まぁた・・・少しは考えてよ、雨に濡れたら風邪を引くかもとか」


 ずぶ濡れの二人を見て、呆れ顔で美樹が言った。
 ごめんごめん、と彩はそそくさと部屋の中へ入っていく。
 どこか、いつもの彩と雰囲気が違う。


「どうしたの、素直に謝るなんて・・・諒くん彩に何か言った?」


 諒は、タオルで頭を拭きながら答える。


「さぁな。照れてるんだろ、きっと」


 訳が分からない。
 首をかしげている美樹に、さすがに言葉が足りないと思ったのか、諒は言葉を付け足す。


「俺は、美樹は彩の友達だって言っただけだ」
「・・・当たり前でしょ」


 当然のごとく。
 意味を察した悠が、横で笑いを必死に堪えている。


「諒くんも、早く着替えないと風邪引いちゃうよ」
「大丈夫だよ。俺、実体ないから」
「あ、そう・・・って、そう言う問題じゃなくて!」


 諒はふっと笑いながら、着替えてくる、と店の奥に消える。


「もう、諒くんまでわたしのこと、からかって」


 膨れっ面で美樹が呟くと、とうとう堪え切れずに悠が笑い出す。