A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 どんなに心に傷を負っても、泣き言は言えない。
 ・・・それは全て、自分の責任だから。


『自分を責める必要はない』


 諒はそう言いかけて、やめた。
 彩はいつも、自分を痛めつけるように戦っている。
 まるで、いつどうなってもいいというように。
 それはきっと、今でも自分を責めているから。
 ――何故なら。





『彩は、自分のせいで家族を失った』






 能力を持っていながら家族を守ることが出来なかったことを、彩はずっと後悔しているのだ。
 一生消えない心の傷・・・だがそれは他人が癒せるものではない。
 それは自分で治すもの。
 でも、側にいてやることはできる。
 悠と諒はずっと、ただ、側にいる。
 それは彩が一番、よくわかっていることだった。


「なぁ諒、教えろよ。美樹って一体、何者?」


 気分を変えるように彩は言った。
 この1ヶ月一緒に暮らしてみて、美樹は能力者ではないのに、普通の人間ともちょっと違う感じがしてならなかった。


「ばあさんが見つけてきたんだ、何かあるだろ」


 諒は彩の感じていたことを、いとも簡単に肯定する。