「ホントのところは分からない。けど」


 ポツポツと、雨が降り始めた。
 悠は、窓に当たる水滴を見つめて。


「彩は多分、人と関わるの、苦手なんだよ」
「ホント?」


 あれだけ女子高生と仲良さそうに話をしていたのに?
 そんな風には、全く見えないが。
 ――・・・でも。


「何だか、羨ましいな」


 思わず、呟いてしまう。
 不思議そうに美樹を見つめる悠。
 お互いに分かり合えている。そんな関係が、羨ましい。
 そう言ったら、悠はゆっくりと首を横に振った。


「分かり合えてるから、辛い時もあるよ」
「え?」
「そんな時は、俺だったら放っておいて欲しいって思うけどね・・・あいつは、放っておいたら消えそうだから」


 それでも。
 そういう風に言ってくれる友達が、彩にはいる。
 それだけでも、この3人が羨ましい、と、美樹は思う。



☆  ☆  ☆



 店から少し離れた場所・・・岬の手前で岩場に打ちつける波を見ながら、彩は砂浜に座っていた。


「昼メシいらねぇのか?」


 いつの間に隣に諒が立っていた。