彩もそれが、すごく楽しかった。
 ふと、彩は目の前に広がる海に視線を向ける。


「もしかして私のことが羨ましいの? ホントは姉さん、物凄い寂しがり屋だから」
「ばか。早く学校に行け」


 友香は笑って、行ってきまぁすと歩き出す。
 そんな様子を笑顔で見送りながら、さぁて、と彩は店の中に入る。


「おはよう彩。いい天気だな」
「遅い! あたしより早く起きろって言ってるだろ、悠」
「だからなんで」
「なんかムカつくから♪」


 店に出てきた悠に、笑いながらそう言う彩。
 悠の後から、諒もあくびをしながら店に出てくる。


「おっす。いい天気だな」
「なぁんで二人して同じこと言うかなぁ」
「いいじゃねぇか、別に」
「一応双子だからかなぁ。面倒くさ」


 あ~もう、とか言いながら、彩は店の中の掃除を始める。


「お。今日も気合い十分だな」


 感心感心、と、頷く悠。