A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「・・・っ!」


 苦痛に顔をゆがめる。


「さぁ美樹、お前の両親を殺したアヤカシに、俺と一緒に一矢報いよう!」


 高笑いをする和也。
 苦痛に耐えながら、彩は重圧を振り切ろうともがく。
 だが、苦しさが増すだけだった。
 和也の笑いは、ある種の狂気にも思えた。


(まさか、あいつも・・・?)


 そんなことを思いながら、彩はギリギリと奥歯を噛み締める。
 この男は何故これほどまでに、アヤカシを憎むのか。


「苦しいか、彩・・・力を抜いて、早く楽になれ」


 笑いながら和也は言った。
 彩は悟る。
 きっとこの男も、アヤカシに大事な何かを奪われた経験があるのだ。
 可哀想なのは、美樹や自分のように大事な仲間がいないこと。


「バカか・・・」


 少しでも気を抜くと、手足が千切れそうな感覚に襲われる。
 この空間を跳ね返すだけの力は、もう彩には残ってはいなかった。
 彩は、呻きそうになるのを必死で堪え、和也を見つめる。