A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 そして美樹は、時間の流れのある場所で立ち止まる。
 美樹にとって、悪夢のようなあの日。
 両親が交通事故に遭った、あの日。
 確か両親は、あの日旅行に行くと言って出掛けたはず。


「・・・いいの?」


 美樹の母親は聞いた。
 何故か悲しそうな瞳。


「あぁ、美樹はこのまま人間として生きて行くのが一番の幸せなんだ。何も知らずに、このまま・・・」


 ハンドルを握りながら、美樹の父親が言う。


「そうね・・・。でも、本当は分からないの・・・どうするのが、あの子にとって一番幸せなのか・・・」


 でも、と、母親は運転席の父親の太ももに、そっと手を添えて。


「私は・・・あなたと出会って、幸せだった」
「俺もだよ。お前のおかげで本当に、美樹は素直で真っ直ぐに育ってくれた」
「・・・ごめんなさい・・・」


 母親の顔が曇る。
 だが、父親は笑って。