「無駄なことを」


 アヤカシは、彩に攻撃を仕掛けようとする。
 だが、悠と諒が立ちはだかった。


「あいつにだけは、手出し無用だ。例え俺達が消えても、な。あいつは、俺達にとって唯一の、かけがえのない存在だ」


 諒の言葉に、悠も頷く。
 彩の姿は、もう見えなくなっていた。


「消えることが望みか。半人前のお前達など、この手にかかれば簡単なことだ」


 悠は防御、諒は攻撃。
 元々ひとつだったが、二つの人格に別れた。
 彩にも言っていない事実。
 悠は手をかざす。


「だからって、不利にはならない」
「面白い。試してやろう」


 悠と諒は、アヤカシに立ち向かう。
 辺りに、閃光が走った。