A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 諒は一瞬、全身がざわめくような感覚を覚えた。
 怒り・・・とも違う、自分の感情が一瞬、理解出来ない。
 この感情のざわめきは、何なのだろう?
 アヤカシが、周りの人間をまるで紙屑のように扱う事か?
 ――・・・いや、違う。
 このアヤカシが、彩に対して容赦なく攻撃を加えたから。
 一瞬、思った。


“もしも、彩に何かあったら”


 アヤカシの攻撃に、彩が倒れたら。
 それを思い、全身がざわめいた。
 多分、悠も同じ思いに違いない。
 だから、彩の周りの人間までを結界で守る余裕が無かったのだ。
 彩だけを、守った。
 悠と諒にとってそれだけ彩は・・・他のどんな人間よりも、かけがえのない存在なのだ。


「なっ・・・!!」


 周りの人間が倒れるのを見て、一瞬動きが止まる彩。
 立て続けに飛んでくる衝撃波に、彩はそれを避けながら悠に叫ぶ。