A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「誰なの?」


 後ずさった拍子に、カウンターに置いてあるガラス製の灰皿が床に落ちて割れた。


「初めまして。だけど僕の事は、彩からよく聞いているよね」
「あなたが・・・永野和也・・・」


 そうだよ、と和也は満足そうに頷いた。
 この男が。
 美樹は、さっきまで諒が使っていたモップを手に取る。


「そんなもの、どうするの?」


 和也は笑いながら、一歩こちらに近づいてきた。


「来ないで。悠くんと諒くんに、何をしたの!?」
「空間を重ねただけ。こういうのは、俺にとっては朝飯前だからね。今日は美樹、君に用があって来たんだ」
「何よ・・・」


 モップを持つ手に、力が入る。


「美樹、自分の本当の力を知りたくない?」


 いきなり和也は、こんなことを言い出した。