A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「開店時間までまだ少し余裕あるから、寝てきていいよ、美樹ちゃん。仕込みは俺がしておくから」


 悠の言葉に、美樹は頷いた。
 これから五時間は寝れる。
 美樹は彩に毛布を掛けると、お休みなさい、と部屋に戻っていった。


「お疲れか、諒?」


 コーヒーを飲みながら深く息を吐いた諒を見て、悠は言った。


「お互いに、な」


 一晩であれだけのアヤカシを相手にすれば、さすがに体力の消耗は隠しきれない。
 だがそれは、一晩中店に結界を張り続けていた悠も同じだった。
 だが、もっと疲れているのは、そこのソファで気持ち良さそうに寝ている彩だ。


「よく寝てるな」


 その寝顔を見て、悠は笑う。


「だけど、始まったばかりだ」


 あの不自然な数のアヤカシ。
 誰かがわざと仕掛けなければ、そんなことは起こりうるはずがないのだ。
 仕掛けた人物の心当たりは一人。
 だとすれば、和也はアヤカシをも操れる能力を持っていることになる。
 今までにそんな人間を見たことがなかったから、悠も諒も少し戸惑っていた。