A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「あたしが素直に甘えられないの、あんたが一番良く知ってるだろ、諒」


 胸の前で手を合わせ、気を集中させる。
 そして彩は跳躍すると、その手から衝撃波を放った。
 また、アヤカシが消える。


「でも、今回は甘えようかな」


 諒の隣に着地して、彩は笑う。


「めちゃめちゃ疲れてるからさ、7割任せる」
「9割でもいいんだぜ?」
「い・や・だ!! 行くよっ!!」
「ったく」


 二人は同時に跳躍した。



☆  ☆  ☆



 結局諒と彩が帰ってきたのは、明け方近くになってからだった。
 彩は家に入るとすぐに、リビングのソファに倒れ込んで寝息を立てる。


「お帰り、諒くん。コーヒー、飲む?」
「あぁ、頼む。美樹、少しも寝なかったのか?」
「ううん、少しはうとうとしてたよ。ごめんね」
「何で謝るんだよ」
「何となく・・・」


 その必要はねぇよ、と、諒は笑いながら出されたコーヒーカップを手に取った。