「自分の能力を確信している人間、ね・・・」


 腕組みをしながら、悠は呟いた。
 当面の狙いは、彩のような能力を持った人間を集めること。
 そして、美樹。


「でも・・・能力を持つ人間って、そんなにいるのかな?」


 美樹は素朴な疑問を口にする。
 悠は少し笑った。


「人間はね、みんな能力者だよ」
「え?」
「人間と俺たちの違いは、肉体を持つか持たないかってだけなんだから」


 そりゃあ、多少の強弱は誰にでもあるけど、と悠は付け加えた。


「強い力を持つ人間、か・・・そいつら集めたからって、どうするっていうんだ」


 諒が言う。
 彩は険しい表情を浮かべたまま、真っ直ぐ前を見ている。


「彩?」
「うん、あたしどうしてもあいつの思い通りになんてさせたくない。あいつ、マジで嫌いだ」


 それに、と付け加えて。


「友香にまで手を出した」


 心底怒っているような、低い声。
 その気持ちは、痛いほど分かる。