「バカ彩! テメェ勝手なことばかりしてんじゃねぇ!!」
「よっ、諒。早いじゃん、帰ってくるの」


 割れた窓ガラスの前に、諒が立っていた。
 少し遅れて、悠と美樹が部屋に入ってくる。


「彩・・・!!」


 入ってくるなり、美樹は彩に抱き付いた。


「心配したのよ、彩のバカ!!」
「ごめん・・・って、バカバカ言うなよ・・・」
「後先考えずに突発的に行動するのは、バカって言わないのか?」
「悠まで・・・」


 彩は苦笑する。


「怪我は? どこか、痛かったりしない?」
「大丈夫だよ。それよりも、早くここから出たい」


 それにはみんな賛成して、四人は外に停めてある車に乗り込んだ。