A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「ったく」


 舌打ちしながら、部屋を見回す。
 多少の家具は置いてあるが、それはみんな備え付けのもので、その他の生活用品は一切なかった。
 ただここにいるだけで、気持ちが悪い。
 ちゃんと息をしないと、胃から何かが込み上げてくる。
 それだけで、イライラする。


「何なんだよ」


 今まで色々なアヤカシと戦ってきたが、こんな回りくどいことをされたのは初めてだった。
 相手の目的は何なのか、考える間でもない。
 悠と諒がいない今、自分を拘束すると言うことは。
 美樹の身が危ない。
 このイライラする結界を何とかして破壊しないと。
 だが、気を集中させる度に、吐き気が込み上げる。


「むっ・・・ムカつく・・・!」


 両手で口と胃を押さえ、身体を折り曲げて彩は呟く。
 キッチンにあった椅子を持ち、窓に投げつけてみたりもしたが。
 それだけでも、息が切れる。