A-YA-KA-SHI☆バスター!!

☆  ☆  ☆



 気が付くと、何処かの部屋の中だった。
 頭が重く、彩は額を押さえる。
 頭だけではない、この部屋にいるだけで身体が重い。
 手足に拘束はなかったが、空気がまるで液体のようで、水中で動いてるような感覚だった。


「マジか・・・」


 窓の外の景色で、友香を最後に見たマンションだということが分かる。
 取り敢えずジーパンの後ろポケットから携帯を取り出してみるが、全然動かない。
 だよなぁと呟いて、彩は携帯をしまう。
 悠と諒が帰ってくるのは明日。
 まぁ、帰ってきたとしても、携帯の電波すら遮断されるようなこの空間の中にいては、二人がこっちを見つけてくれる可能性は低い。


「んー・・・」


 彩は床に座り込み、腕組みをして唸る。
 あんまり状況はよろしくない感じがする。
 部屋には時計がなかったが、外はもう薄暗くなってきていた。
 一応、窓に近づいてみる。
 が、部屋の内側には案の定結界が張ってあり、窓に触ろうとすると、空間がスパークする。