「ったく・・・少しは俺の話も聞いてくれないかな」


 悠はそう呟いて、ため息をつく。


「悠くん・・・」


 二人きりになり、美樹は悠を見つめた。


「あのね、美樹ちゃん」


 出会った時から変わらずの、穏やかな声で悠は言った。


「遊園地の時のこと、覚えてる?」


 遊園地と言えば、美樹が計画した旅行のこと。
 結局はみんなを戦いに駆り立てる結果になってしまったが。
 その時戦ったアヤカシは、ペンションの男の子をパワーアップの媒体にしていた。


「そう。あの男の子、結界みたいなものに包まれていたよね?」
「うん。そのせいであの子はアヤカシに力を送らされていたのよね?」
「あぁ。今こんなことになって、あの遊園地での男の子のことを思い出したんだ」


 何か、関係があるというのだろうか。