美樹は、今までの事を出来るだけ詳しく話した。
 一通り話をして、美樹はふと、疑問に思っていることを聞いた。


「でも、どうして帰ってきたの?」


 予定では、帰ってくるのは明日のはず。
 彩が言うには、悠と諒が向こうに帰っている間は交信することはおろか、気配すら感じることは出来ないらしい。
 それなのに、どうして。


「それは、まぁ・・・」


 悠は、少し困ったように。


「美樹ちゃんに、呼ばれたから?」


 歯切れの悪い答え。
 諒も、なにも言わない。
 確かに二人を呼んだが・・・その声が聞こえたとでも言うのだろうか。
 この前の遊園地の時と同じで、自分の力を思い通りに操る事が出来ない。


「それよりも、彩を探すのが先だ。行ってくる」


 諒は立ち上がり、今度は止める間もなく部屋を出ていった。