「おっ、お疲れ。学校終わったな?」


 やってきたのは、夏休みに毎日かき氷を買いに来て彩と仲良くなりたがっていた女の子だった。


「悠さんと諒さんは?」


 席に着くでもなく、女の子はそんなことを聞いてくる。


「あぁ、帰省中だよ。一週間くらいかな」
「そうなんだ」


 それから、女子高生たちが続々と店にやってくる。
 一々悠たちの事を聞かれるたびに、同じ答えを繰り返す彩と美樹。
 あからさまに残念そうな顔を浮かべる女の子もいたりして、あたしじゃ不満なのかと、彩がいじけていたが。
 それでも何とか二人で頑張り、やっと落ち着いた頃。


「あら?」


 美樹が、思い出したように言った。


「最初に来た高校生の女の子、彩のファンじゃなかったっけ?」
「だよなぁ。かき氷買いに来てた時は、あたしに友達になってくれとか言っておきながらさ、やっぱ、あいつも悠たちのファンなのかよ」
「彩・・・それ、どういうジェラシーなのよ?」