A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「た、た・・・す」


 風の音と、森の木々がざわめく音にかき消されてしまいそうな、小さな声だったが。
 美樹には、はっきりと聞こえた。
 肉声で、助けて、と。
 確かに聞こえた。
 そして次の瞬間、男の子は飛び降りた。


考えるよりも早く、美樹は男の子に飛び着いた。
 一緒になって落ちてゆく。


「美樹ちゃん!」


 悠が叫ぶ。
 その瞬間、辺りを青い光が照らした。
 一瞬だけ、遊園地全体が真昼のような明るさになる。



☆  ☆  ☆



「美樹ちゃん!」


 肩を揺すられて、美樹は目を開けた。
 悠は、それを見てほっとしたような表情を浮かべる。
 確かに落ちたはず・・・。美樹は、真上にあるジェットコースターのレールを見上げた。
 隣では男の子が、すやすやと眠っている。
 もう球体に包まれてはいない。
 それを見て、美樹は微笑む。
 だが頭上で、女が浮かんだまま、こちらを睨み付けていた。
 悠と美樹は、ゆっくりと立ち上がる。
 そこへ、轟音とともに、女めがけて衝撃波が走った。
 それはまともに女に直撃する。


「第二ラウンド、だな」


 諒だった。