A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「来る」


 スパークする球体が、今にも爆発しそうな勢いで大きくなる。


『・・・鍵、か・・・』


 声がする。
 振り返ると、女が宙に浮かんだままこっちを見ていた。
 今まで彩達と戦闘を繰り広げていたとは思えない、何もなかったかのような出で立ち。
 その途端、美樹は全身が震える程の怒りに包まれた。


「あなた・・・許さない」


 女を睨み付ける。
 そんなことにはまるで無関心というように、女は悠に攻撃を仕掛けた。
 男の子に手を伸ばしかけているこの状態では、避けられない。
 悠は美樹と男の子を庇うように、自分の身体を動かす。


「悠くん!」


 悠は攻撃をまともに食らい、その場に膝をついた。


『お姉ちゃん・・・』


 美樹は、はっとして振り返る。
 男の子が、今にもコースターのレールから飛び降りそうになっていた。
 男の子は一瞬、美樹と視線を絡ませる。
 その小さな瞳には、涙が浮かんでいた。