A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 この球体の結界のようなものは、アヤカシにエネルギーを直接送り込む為の媒体。
 そのエネルギーがこの子自身の力だとしたら・・・エネルギーを放出しつくして、この子の命にまで危険が及ぶ可能性がある。
 悠は再び、男の子に歩み寄る。
 手を伸ばす。
 その時、一際眩しい閃光が辺りを包んだ。


「・・・チッ」


 舌打ち。
 美樹は観覧車の方を見る。
 嫌な胸騒ぎ。


「まさか、彩達・・・?」
『邪魔だよ!!』


 男の子が叫ぶ。
 癇癪を起こしたように、何度も何度も。
 だがそれは、美樹には『助けて』と聞こえた。
 球体に手を触れた悠の顔が歪む。
 美樹は思わず、その手に自分の手を絡ませた。


「美樹ちゃん?」


 悠は驚いて、美樹を見つめた。


「大丈夫。絶対助ける!!」


 球体の中は、まるで吹き荒れる真空の嵐のようだった。
 それでもかわまない。
 この子は本当は、助けを求めている。
 もう少しで男の子に手が届く、その時。
 悠は気配を感じて振り向いた。