A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 無表情。
 でも、分かる。
 男の子は、泣いている。


「昔の・・・彩を見てるみたいだな」


 悠が呟いた。
 美樹は悠を見つめる。


『でも、いいんだ』


 ここで初めて、男の子は笑う。
 年相応の無邪気な笑顔だが・・・悠と美樹には、それがとてもおぞましく感じられた。


『もう、いじめられなくていいんだって。友達もたくさんいるし、物を切り刻んでも、誰にも怒られたりしないって』
「ダメ・・・!」


 美樹は男の子に近寄ろうとする。
 だが、悠に抱き止められた。
 向こうで時折、閃光が走っているのがわかる。
 彩と諒が今も戦っている。
 だがそれは、この男の子がここでこうしている限り無駄だった。
 敵のパワーの源・・・それがこの子の、マイナスの感情。


「なんとかあの球体の結界だけでも解除しないと、あの子ははどんどん奴に力を送ることになる」