A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 その途端、悠が弾き飛ばされた。
 うまく身体を捻って、何とかレールにしがみつく。


『邪魔するな!!』
「何の、邪魔なんだ?」


 起き上がり、悠は言った。
 それを支えながら、美樹は悠のシャツが細かく千切れているのに気付く。
 顔を上げて男の子を見ると、変わらずに表情はない。
 だが、感情が読み取れた。
 ある光景が、目に浮かぶ。


『これでもう、いじめられないって言ってた』


 大勢対一人。
 気持ち悪い。
 何でお前はそんなに物を壊すんだ。
 ーー違うよ、触っただけなんだよ。
 気持ち悪い、化け物みたいだ。
 ーー違う・・・よ、僕は・・・。
 化け物・・・化け物・・・!!
 ーー違う、化け物じゃない!!
 来るな、気持ち悪い!!
 ーーどうして・・・? 僕はただ、友達と遊びたいだけなのに。ランドセルが切れたのだって、シャツが切れたのだって、わざとじゃないんだ。
 壊し屋、化け物!!
 ーー違う・・・。
 化け物!!
 ーー違う。僕は・・・。僕は・・・!!


『僕は化け物なんかじゃない!!』