A-YA-KA-SHI☆バスター!!

 腹の辺りを押さえながら、それでもなんとか立ち上がる。
 その様子を、全く同じ容姿の女が二人、冷ややかに見つめていた。
 分身したならパワーも半分くらいに落ちてくれればいいのにと彩は思ったが、さっきの攻撃の威力は、最初と全く変わらない。
 と、いうことは、敵はさっきよりも二倍、パワーを消費しているということで。
 敵のパワーは、計り知れない。


「タチ、悪いな」


 諒が呟く。
 だが今は、悠が動いたのだ。
 状況は変わる。
 彩はそれを確信していた。


「悠が足止めしろっつったからなぁ。こうなったらこっちもパワー全開、死ぬ気でいくか」


 彩は言って、ふうっと息を整える。
 守りの悠がいない今は、攻撃の一手に出るしかない。


「ほんとに死ぬなよ」


 構える彩に、諒はそう声をかける。


「バカ、例えだよ、例え! 諒は右、あたしは左!」


 言いながら、彩は攻撃を仕掛ける。
 諒もそれに続く。