「当たっ・・・た?」


 ――だが。
 相手はまるでダメージを受けていない。


「彩のアホ、もう少し戦法考えろ」


 頭を押さえながら、諒が呟く。


「悠ー! あいつ結界張ってるー! どうしたらいいー!?」
「・・・・・・・」


 彩のアホさ加減に絶句する悠。
 だが、女はそのまま動く様子を見せない。
 悠は考えを巡らせた。


(こっちが疲れるまで攻撃させるつもりなのか?)


 元々、戦う力はそんなに残ってはいない。当然相手には、それがバレているはず。
 ・・・どうする?


「短期決戦するしかねェだろ、悠」


 諒も同じ事を考えていたらしい。
 そして、右手を大きく振り上げる。
 次の瞬間、女めがけて閃光が走り、辺りを一瞬明るく照らす。
 だが、女はまたその場所にはいなく、閃光は観覧車の一部を破壊した。