「ようやくあなたを見付けた時は既に、ご両親は他界されていた」
「だから・・・ああやってわたしに近づいたんですね」
「えぇ、何も知らないようだったから・・・」


 ここに来て婦人は、少し苦しそうに。


「でも、私達にあなたが見つかるということは、他のアヤカシにも見つかるということ。だから」
「だから、悠くんと諒くん・・・それに彩を、わたしの側に」


 その通りよ、と、婦人は頷く。
 アヤカシは、夜に動く。
 美樹は、そんな言葉を思い出していた。

 一緒に暮らしているから、悠や諒、彩が毎晩出掛けているのは何となく分かっていた。
 それが、アヤカシ退治だということも、頭では理解していた。
 でも、自分に被害や危害が及んだことなんて、一度もなかった。
 悠や諒はともかく、彩に至っては毎日、寝不足みたいに目を擦ったりしていて。


「本当に、ずっと、守られてたんだ・・・」


 それなのにまた今こうやって、3人をこんな場所に連れてきて。