A-YA-KA-SHI☆バスター!!

「夕ご飯までにはまだ時間があるから、今のうちにお風呂にでも入ってきたら?」


 婦人の言葉に、彩が真っ先に「そうしよ」と荷物を持って部屋へ向かった。
 彩は、まるでここに来たことがあるかのように案内なしでスイスイ進む。
 悠と諒も、同じく部屋へ向かう。
 その行動に、美樹はふと、違和感を感じた。


「あの・・・」


 最後に一人残った美樹は、婦人に声をかける。


「みんな、ここには来たことがあるんですか?」
「いいえ。今日が初めてよ」


 変わらない優しい笑顔。


「だって、ここに来るのは“あなた”が決めたことでしょう?」


 婦人に言われて、美樹は気がついた。
 今回の旅行は確かに美樹が言い出して、温泉と遊園地のあるこの高原を提案したのも美樹。
 このペンションを予約したのも美樹一人で。