一緒に生活するようになってから初めて四人揃って出かけるということもあって、みんな楽しそうだった。
 旅行が決まったのは昨日の午後のことで、美樹は仕事の合間に電話をかけて宿を探したが、平日ということもあり、割りと簡単に小さなペンションの予約が取れた。
 道中ずっとハイテンションな彩に付き合わされて多少は疲れたが、高原のひんやりした空気と爽やかに広がる緑を見たら、すっかり気分が和む。


「う~ん、いい空気」


 美樹は息を思い切り吸い込んで、深呼吸する。
 ペンションに入る前に寄ったのは、高原の中にある遊園地だった。


「ねぇ、悠くん・・・彩っていつ疲れるのかしら」


 道中あれだけ喋り続け、遊園地に到着した直後に大喜びで走ってていく彩を見ながら、美樹が言った。
 すでに下調べしてあったらしく、この遊園地で一番怖いジェットコースターに一直線に向かっている。
 諒も案外嫌いじゃないらしく、楽しそうに彩についていった。