彼女(彩、と言ったか)は、落ち着いたとはいえ、すぐには動けるような状態ではないはず。
 この3人、今日これからどうするつもりなんだろう?


「あの・・・」


 美樹は、思いきって聞いてみた。


「あなた達、これからどうするんですか? 彩さん・・・あの様子じゃ、すぐには動ける状態じゃないでしょ?」


 すると、悠と諒は不思議そうに美樹を見つめ、それからお互いに顔を見合わせた。
 ・・・何だか、凄く嫌な予感がする。


「聞いてないの?」
「何を・・・です?」


 まさか。


「俺たち、今日からここに住むことになってるんだけど」


 ――・・・開いた口がふさがらない。


「それって・・・どういうこと?」
「中川美恵子っていう人、知ってるでしょ?」


 知ってるも何も。
 あんなに親切にしてもらったお店の管理人の名前を、忘れる訳がない。
 頷く美樹に、悠は笑って。


「自己紹介が遅れたけど、俺は中川美恵子の孫で、中川悠。で、こっちが双子の諒」


 双子にしては、全然似てない。
 二人とも身長は同じ180センチくらいだが、悠はウェーブがかかった黒髪、諒は茶髪のストレート。
 顔もどことなく悠の方が切れ長の目をしていて眼鏡をかけていて、諒は垂れ目。