「なぁこれ、どう思う?」 健が中庭にある岩を指差した。 「これはどこから?」 匠が思案するような表情を浮かべ、左手をあごに持っていく。 「わかんないけど、誰かが運んだ事は間違いないよな」 「フム……」 匠は、中心の噴水の花壇近くに無造作に置かれている1mほどの岩を見つめた。 ゴツゴツとした岩肌は、とても価値のあるようなシロモノではない。