放課後──美術部のモデルを済ませ、家路に就こうかと学園の入り口にいる匠の前に志保が現れる。
「事件は解決したの?」
「事件? 花崗岩の件なら済みました」
「どうだったの?」
「大したものではありません」
「! ちょっと、説明無いの?」
「はい、学園長にはお話ししましたので、知りたいのでしたら直接、学園長からお聞きください」
そう言われては問い質す訳にもいかず、志保は匠の帰宅準備を見つめた。
「ではまた明日、さようなら」
「あ、ええ。気をつけてね」
軽い会釈に応え、遠ざかる背中を眺める。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…