「それにしてもさ~」

 健がふと、ストローをくわえたままぼそりとこぼす。

「志保先生はいつまで俺たちにくっついてるのかな?」

 鬱陶しい訳ではないが、マンネリ化した彼女の行動に少し飽き気味なのである。

「みなみ女医か」

 つぶやいて微笑み、手にしている白い陶器のカップを覗く。

「そろそろ仕事もちゃんとしてもらわないとね」

「?」

 何かを含んだ物言いに健が小首をかしげた。