40代だと思われるが、その歳でなければ決して滲み出ない大人の色気を醸(かも)し出している。 「え、あの……その」 突然の美女に志保は声を詰まらせる。 「匠の学園の方かしら」 「は、はいそうです。保険医をしている南 志保と申します」 「! 保険医?」 深々と頭を下げた志保に眉を寄せた。 「匠が誰かに怪我をさせましたか?」 「あ、いいえ! 違います。その、城島 健くんのことで」 「? 健くん?」