あうんの呼吸とでも言うのだろうか、開口一番に切り出した匠の言葉を学園長はそのまま聞き流して対応している。

 ここまでの間柄になるには、かなりの会話を交わしていないと出来ない事だ。

 志保は、学園長がこの生徒にやたら穏便なのはそういう事か……と呆れて2人を見つめた。

「明後日までに解らなければ君が好きにするといい」

「ありがとうございます」

「!? ちょっ……学園長!?」

「ああ、志保くん。どうしたね?」

 初めて気がついたという風に口を開く学園長にツッコミを入れそうになった志保だが、それ処ではない。